(続き)……
「尚、その後の調べによりますと、この男性には、傷害と婦女暴行の容疑が掛けられており、警察では、起訴事実が固まり次第、被疑者死亡のまま書類送検……」
『俺』は、報道された事実に驚愕しながらも、ニュースを聴き終えると、テレビのスイッチを切り、ベッドの中から天井を眺めたまま、暫し、思案に耽った。
(昨夜の嵐の中『彼』は、一体、どこへ行こうとしていたのであろうか?目的は?……何のために?……自宅は、確か、店の近所であった筈だ。一体、どこへ?)
茫然と天井を眺めながら思案する中、ふと、昨夜の演奏で、コンガを懸命に叩き続けた『彼』の表情が脳裏をよぎった。
名前も素性も知らない男ではあったが、音楽の演奏という真剣勝負を交えた『あの時間』が答えを導き出してくれたような気がした。
(『彼』は、何かを探しに、否、失われた『大切なもの』を取り戻しにいったのではないのだろうか?それは決して懐古などではなく、一人の男として忘れてしまった『大切なもの』を掘り起こすために、どこかへ向かっていたのではないか?)
コンガを叩き終えた後の『彼』は、満面に笑みを浮かべ、少年のように瞳を輝かせていた。
『俺』は、ぼんやりと昨夜の『彼』の表情を思い浮かべながら呟いた。
「無駄だよ。どこへいったって『探しもの』は見つかりはしないよ……それは貴方の心の奥に埋もれてしまっていた『感性』だったのだから……その『大切なもの』は貴方自身の心の中にあったのさ」
……(完)
〜あとがき〜
冒頭にも書きましたが、今回、当ブログに掲載した記事は、ワタクシと、他、複数の人間が体験した事件や事故、そして当時の心情を『俺』と言う第一人称に集約して表現した『回想録』です。
因みに、当記事は、完成当初、千文字単位に分割すると、百ページ以上にも及ぶ長編でした。
しかし、ワタクシ自身、執筆後、読み返しの際に、やはり、度を超した長文は、ブログ記事としては、難解であり、不適切なものだと判断せざるを得ませんでした。
ですから今回、皆様に御閲覧頂いている記事は、かなりの削除を施したものであり、表現が至らない部分は、閲覧者の想像力をもって補って頂くしかありません。
……(書き手)
「尚、その後の調べによりますと、この男性には、傷害と婦女暴行の容疑が掛けられており、警察では、起訴事実が固まり次第、被疑者死亡のまま書類送検……」
『俺』は、報道された事実に驚愕しながらも、ニュースを聴き終えると、テレビのスイッチを切り、ベッドの中から天井を眺めたまま、暫し、思案に耽った。
(昨夜の嵐の中『彼』は、一体、どこへ行こうとしていたのであろうか?目的は?……何のために?……自宅は、確か、店の近所であった筈だ。一体、どこへ?)
茫然と天井を眺めながら思案する中、ふと、昨夜の演奏で、コンガを懸命に叩き続けた『彼』の表情が脳裏をよぎった。
名前も素性も知らない男ではあったが、音楽の演奏という真剣勝負を交えた『あの時間』が答えを導き出してくれたような気がした。
(『彼』は、何かを探しに、否、失われた『大切なもの』を取り戻しにいったのではないのだろうか?それは決して懐古などではなく、一人の男として忘れてしまった『大切なもの』を掘り起こすために、どこかへ向かっていたのではないか?)
コンガを叩き終えた後の『彼』は、満面に笑みを浮かべ、少年のように瞳を輝かせていた。
『俺』は、ぼんやりと昨夜の『彼』の表情を思い浮かべながら呟いた。
「無駄だよ。どこへいったって『探しもの』は見つかりはしないよ……それは貴方の心の奥に埋もれてしまっていた『感性』だったのだから……その『大切なもの』は貴方自身の心の中にあったのさ」
……(完)
〜あとがき〜
冒頭にも書きましたが、今回、当ブログに掲載した記事は、ワタクシと、他、複数の人間が体験した事件や事故、そして当時の心情を『俺』と言う第一人称に集約して表現した『回想録』です。
因みに、当記事は、完成当初、千文字単位に分割すると、百ページ以上にも及ぶ長編でした。
しかし、ワタクシ自身、執筆後、読み返しの際に、やはり、度を超した長文は、ブログ記事としては、難解であり、不適切なものだと判断せざるを得ませんでした。
ですから今回、皆様に御閲覧頂いている記事は、かなりの削除を施したものであり、表現が至らない部分は、閲覧者の想像力をもって補って頂くしかありません。
……(書き手)

